100年メダカ 第四章 〜めだかの館のブログ〜

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品種分類案3-1 系統と形質の違い ~オーロラの違いを例に~

改良メダカ界では,系統形質の用語について混同がみられるため


改めてこれらについての見解を示します。



系統複数世代にわたるメダカ群を示す際に用いられる用語です。


ここでは,以下の狭義と広義の2種類に分類します。


狭義|目的(選抜基準)を持って累代繁殖した個体群
広義|共通の祖先を持つ個体群



形質世代に関係なく,改良メダカが有する特徴を示す際に用いられる用語です。


ここでは以下のように定義します。


目視で判別可能であり,子孫に遺伝する改良メダカの特徴


重要なことは、系統と形質は言葉としての座標軸が異なるため,同じ座標軸で比較することはできません。



文章だけでは、ほとんどわからないかと思いますので、図で説明します。


上の図では、元親を出発点として、F1からF3まで計21匹のメダカが描かれています。


これら21匹はすべて一匹の元親から産まれているため、


すべて元親の系統ということができます。


例えば、元親が「太郎メダカ」だとしたら


21匹すべて「太郎系統のメダカ」ということになります。



一方で、形質はどうでしょうか?


元親の太郎メダカはホホが赤い特徴を持っています。


これが太郎メダカの形質(=赤エラ)です。


ところが、すべての「太郎系統のメダカ」に赤エラの形質が発現しているわけではありません。


同じ系統でも、形質が出る場合とでない場合があります。


これは、形質の固定率が関係しています。



重要なのは、太郎系統のメダカでも太郎メダカの形質が出ない場合がある、ということです。



次に、オーロラを例に説明します。


元親にオーロラの名前が付いたメダカを用いたのであれば


以降産まれるメダカはすべてオーロラ系統と呼ぶことができます。


その際に、オーロラの特徴(形質)が出ているかどうかは関係ありません。


仮に、オーロラメダカの特徴(形質)が、頬がぼうっと薄紫になる、というものだとします。


その場合、上記のオーロラ系統の中で、頬がぼうっと薄紫になっている(F3だと、オレンジのチャックの入った4匹)個体がオーロラの形質を持つメダカ=オーロラメダカということになります。


F3の12匹の内、
12匹ともオーロラ系統のメダカだが
オーロラの形質を持っている(=オーロラメダカ)は4匹


ということになります。



ややこしい話ですが、系統と形質の使い方は、混同されやすいです。


オーロラと一口に言っても


「それはオーロラ系統のことを指しているのか?」


「オーロラの形質を指しているのか?」


に着目することで


議論がスムーズになります。



注意
これらの用語については,理解を助長する目的として一時的に定義を決めており,学術用語としての使い方とは一部異なる場合があります。





「改良メダカ品種分類案」はこちら↓↓↓
http://jma-medaka.jp/pdf/1saishinhinnsyubunnrui.pdf





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※本ブログは、改良メダカ品種分類案の普及を目的として、日本メダカ協会の許可を得て写真や文章を掲載しています。