品種分類案2-11 透明鱗
「改良メダカ品種分類案」の各形質や補足について説明しているページです。
本日からは体色以外の形質になります。
「透明鱗」についての説明です。
◆由来・概要
・エラ蓋部分が赤くなる(以下,赤エラとする)メダカです。
エラ蓋部分の虹色素胞が欠如することでエラが透けて血液の赤色が見えるため,エラ蓋が赤くなります。
また,透明鱗の特徴は赤エラだけでなく
・体色がやや透明になる
・ヒレに色がのる(ヒレ美)
・ 体色が部分的に色抜けする など,様々です。
しかし,透明鱗の主たる特徴は赤エラであるため,ここでは透明鱗の基準を赤エラとします。
また,透明鱗の特徴を持たない野生型のメダカを,透明鱗と比較し「普通鱗」と呼びます。
※透明鱗の形質を有しておらず、かつ紅白や三色のメダカを「非透明鱗」と呼ぶことがあります。
例:非透明鱗紅白、非透明鱗三色
◆特徴
・エラ蓋部分が赤く透けて見える
◆形質補足
片ホホ
片ホホとは,片方のエラ蓋部分が虹色素胞に覆われ,片方しか赤エラになっていない透明鱗です。両方が赤エラになるのが透明鱗のスタンダードとすれば,片ホホは片方のエラ蓋部分にしか透明鱗の特徴が発現していない個体です。前述の通り,透明鱗には赤エラ以外の特徴があり,ヒレ美(図参照)や体色が部分的に色抜けするなどの特徴を有しています。朱赤体色に透明鱗の部分的に色抜け(白)する特徴を組み合わせることで,2色メダカ(紅白メダカ)が作出されました。
ホホ無し
ホホ無しとは,エラ蓋部分に虹色素胞が覆いかぶさり,赤エラになっていない透明鱗です。前述の通り,透明鱗には赤エラ以外の特徴があり,ヒレ美(図参照)や体色がやや透明になるなどの特徴を持っています。これらの特徴は普通鱗では発現しません。つまり“赤いエラは確認できないが,赤エラ以外の透明鱗の特徴が発現している個体”をホホ無しと呼びます。
※従来は、ホホ無し透明鱗=非透明鱗という呼び方をしていました(2015年発売のめだか大図鑑に記載)。しかし、前述の非透明鱗三色、という言葉が使用され始めて以降(2016年以降)、ホホ無し透明鱗を非透明鱗とは呼ばなくなりました。
◆類似した形質
・なし
◆参考資料
エラ蓋に虹色素胞を持たないため,エラが赤く透けて見,体の透明感が強くなる。
透明鱗という形質は、当店の創業時(2000年)にはすでに発見されていたように記憶しています。
透明鱗によって、単色だけたっだメダカの世界に、紅白や三色といった多色の体色が産まれました。
▲琥珀メダカ
このメダカに透明鱗の形質を組み合わせることで・・・
▲琥珀透明鱗メダカ(2007年)
三色メダカの基礎となる琥珀透明鱗メダカが産まれました。
2007年に仁井谷努氏が作出。
ニックネームは紅鮭。
▲琥珀透明鱗メダカ(2007年)
いまでこそ地味なメダカに見えるかもしれませんが、当時は大変画期的なメダカとして話題になりました。
これらのメダカを経て、透明鱗系三色メダカが産まれました。
▲白朱赤透明鱗斑メダカ
なお、非透明鱗系のメダカはこれらの作出経緯とは全く別ものとなります。
「改良メダカ品種分類案」はこちら↓↓↓
http://jma-medaka.jp/pdf/1saishinhinnsyubunnrui.pdf
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※本ブログは、改良メダカ品種分類案の普及を目的として、日本メダカ協会の許可を得て写真や文章を掲載しています。
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