品種分類案0-5 ~改良メダカの形質について~
前回の内容は
日本メダカ協会が提案する品種とは
・目視で判別可能なもの
・次世代に特徴が遺伝するもの
とし、品種間の違いを明確に回答できるようにしました。
ということでした。
今回は、改良メダカの特徴である「形質」に焦点を当てていきます。
これまで話してきた改良メダカの特徴を、ここでは形質(けいしつ)と呼びます。
形質は、体色や体型などに区分され、
普段改良メダカを判別する際の基準のようなものです。
あたらためて、その定義をすると
形質とは
目視で判別可能であり,子孫に遺伝する改良メダカの特徴
です。
お気づきかもしれませんが、品種の定義に登場した文章と同じです。
というのも、改良メダカの世界では形質を基に品種を分類してきた経緯があるため
両者は切っても切り離せない関係にあるのです。
わかりにくいと思うので、先に形質一覧を紹介します。
これは日本メダカ協会が平成30年9月に発表した改良メダカの形質一覧表です。
http://jma-medaka.jp/press.html
改良メダカの形質は、6種類(体色、目の変化、ヒレ変化、透明鱗、柄、体型)に分類されます。
また、形質の組み合わせにより品種名が決まります。
とあるように、品種名は、形質の組み合わせによって決まっています。
たとえは、
朱赤メダカ↓に
ヒカリ体型の形質↓が入ると
朱赤ヒカリメダカ↓となります。
朱赤ヒカリメダカはニックネーム「東天光」として親しまれています。
朱赤メダカもヒカリメダカも朱赤ヒカリメダカもすべて一品種です。
4/1に発表される新しい品種分類案では
この一覧表(形質)を再編集し、
分類が難しかった品種(オーロラやブラックリム)も分類できるようにし
形質の定義をより明確化しました。
一応、現在確認できるすべての改良メダカを分類することが
できるような案に仕上がっています。
形質を定義することにより、以下のメリットが生まれます。
・愛好家同士のコミュニケーションが容易になる
・飼育技術向上(選別基準の明確化)
・新形質と既存形質の差がはっきりわかる → 新品種作出の基準が明確になる
・品種名から、個体の特徴を読み取れるようになる(審査の手助けになる)
例えば、昨年は「体外光をのせる」ということがブームとなりましたが
「体外光」の定義はなんでしょうか?
雑誌や個人店などでの定義はありますが、
改良メダカ業界としての共通定義はこれまでにありませんでした。
そこで、日本メダカ協会が提案する品種分類案においては、
これらの形質をはっきりと定義し、
「体外光」と言えば、みなさんが同じ特徴を思い浮かべることができるようにしました。
品種分類案は、どちらかといえば「形質の定義」がメインの内容となっております。
この案が広く普及することで、改良メダカのコミュニケーションツールとなり、改良メダカ全体の飼育技術向上につながると確信しています。
毎回話が長くなっていますが
まとめますと
形質は、
目視で判別可能であり,子孫に遺伝する改良メダカの特徴
である。
形質を定義することで
・愛好家同士のコミュニケーションが容易になる
・飼育技術向上(選別基準の明確化)
・新形質と既存形質の差がはっきりわかる → 新品種作出の基準が明確になる
・品種名から、個体の特徴を読み取れるようになる(審査の手助けになる)
次回は、品種は形質で分類するのが適当なのか?ということについて解説します。
おまけ
形質の定義については、めだかの館基準ではありますが
めだかの館ホームページにまとめています。
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