品種分類案0-7 ~研究者の視点~
前回の内容は
改良メダカの品種分類は
形質や用語の普及を図るため
まずは形質による分類とする
こととしました。
ということでした。
今回は、研究者の観点からの改良メダカの品種分類について解説します。
といっても、私たちは一切研究をしておりません。
なので、私たちに足りない「学術的な視点」を得るために、
2018年は学術界との交流を深めました。
その中の取り組みとして、2つ紹介します。
1.2018年春に名古屋大学橋本先生を訪ねました。
日本におけるメダカ研究者として著名であり、「めだかの学校(あるむ出版)の第2章「メダカの色について考える」」の執筆者である名古屋大学生物機能開発利用研究センター助教 橋本寿史先生と改良メダカに関する会議を行い、形質発現機構や遺伝に関する知見をご教授いただきました。
幹之メダカの虹色素胞の異所性に関して、当店が経験則で知っていることと、研究等で得られた知見が一致するなど、産学それぞれの分野での成果が一致する部分が多々あり、大変勉強になりました。
また、品種の定義の重要性や、系統図の作成についても進めるよう助言をいただきました。
こちらからは改良メダカ業界の実情、用語の説明などの情報を提供しました。会議だけでなく、大学でのメダカ飼育設備を見学させていただき、システマチックに管理された設備に感動しました。
最新メダカ型録2019より
▲名古屋大学にて、橋本先生と
2.2018年6月に名古屋大学橋本先生、基礎生物研究所成瀬先生とテレビ会議を行いました。
橋本先生からの紹介により、基礎生物学研究所進化多様性生物学領域特任教授 成瀬清先生とテレビ会議を行いました。成瀬先生はNBRP Medaka(ナショナルバイオリソースプロジェクト)の中核機関である基礎生物学研究所の代表者であり、富田コレクション(様々な自然突然変異メダカ)で知られる富田先生のお弟子さんでもあります。
橋本先生を加えた3者による会議では、改良メダカの品種の定義は形質(目視で判別可能なもの)をベースにすることが良い事、改良メダカの作出に際しては交配記録や固定率を記録することが望ましい、等のご助言をいただきました。
最新メダカ型録2019より
成瀬先生と橋本先生の話から
研究者としては、
それぞれの品種にどのような遺伝子が入っているかは重要な情報なので
形質を明確に定義して名前が細かく決められることはありがたい
という意見を伺いました。
このことが、まずは形質を基に品種分類する、という判断を後押ししました。
橋本先生には、多忙の中、品種分類案の最終確認もしていただき
大変感謝しております。
学術的な視点も取り入れた品種分類案が
愛好家のみならず、研究の場でも役立つツールとなるよう
更なる情報収集と改良に取り組んでいきたいと考えています。
まとめますと、
研究者としては
・改良メダカの品種の定義は
形質(目視で判別可能なもの)をベースにすることが良い
・形質を明確に定義して
名前が細かく決められることはありがたい
とのことでした。
次回は、形質による品種命名によるメリットを解説します。
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