100年メダカ 第四章 〜めだかの館のブログ〜

元祖 改良メダカ専門店 めだかの館のブログです!100年続くメダカ文化を目指して、日々の日記(メダカに関することから関係ないことまで色々)を更新します!メダカ好きな方必見です!

100年メダカ2021 はじめに より(1/2)

100年メダカ2021 はじめにより


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 ようこそ、魅力あふれる改良メダカの世界へ。本書は、改良メダカの記録と歴史を残す書籍として、2002年から発刊しつづけております。メダカ愛好家の皆様に愛され続けて約20年、おかげさまでシリーズ18作目累計発行部数10万部以上の大人気書籍となりました。皆様の多大なるご支援に、改めて感謝申し上げます。


 さて、この度、書籍名を「最新メダカ型録」から「100年メダカ」に変更しました。その経緯について、少しお話をします。



本書は、めだかの館スタッフを中心に自費出版にて製作しております。製作の流れは、メダカシーズンオフの初冬から準備を開始し、1~2月で原稿を仕上げ、4月に発売、というのが最近の定番です。


▲執筆した原稿チェックの様子


今回は、製作前に「自費出版の書籍を出す意味」についてスタッフで議論を尽くしました。というのも、本シリーズ当初と現在では、改良メダカ界の状況が大きく変化しており、本シリーズもまた変わるべき部分と変えない部分の整理が必要であると感じたからです。


シリーズ第1号を発刊した2002年において、改良メダカを専門に扱う書籍は皆無でした。当時はネット社会が普及していなかったこともあり、本シリーズはメダカ愛好家にとって唯一の改良メダカの情報源であり、改良メダカの種類や魅力を広く周知することに貢献できたと自負しております。


▲2003年発刊


▲2004年発刊


その後、改良メダカ人気は継続的に上昇し、現在では改良メダカに関する雑誌、書籍などが多数発刊されるようになりました。また、ネットを通じて多くの情報を得ることができるようになりました。


メダカ飼育人口が増えることは大変喜ばしい事でありますが、同時に、単に過去を踏襲したシリーズを発刊し続けるだけでよいのか、という想いは年々強まってきました。


めだかの館が自費出版で書籍を出す意味は?
メダカ愛好家は何を求めているのか?


議論の末、二つの方向性を決めました。


①100年先の人が、改良メダカの歴史を振り返る際に有益な情報源となる書籍を目指す
②既存の雑誌及び書籍には掲載されてにくい情報を掲載する


①は、本シリーズの発案者である大場幸雄が、発刊当初から大切にしている想いであり、本シリーズの不動の価値観、理念であると再認識しました。めだかの館は改良メダカをブームではなく日本の文化として後世に残し、世界に発信していきたいと考えていきます。


では、メダカを文化にするためには必要なことは?それは、歴史を記録として残すことです。そして、記録は書籍で残すことが重要であると考えます。急速に進むデジタル社会においても、書籍が持つ価値・信頼性は担保されています。文献として引用されるのも、依然として書籍が多数を占めます。したがって、その年に産まれたメダカ、存在したメダカを書籍として記録し、残し続けることは、改良メダカの歴史づくり及び文化づくりにおいて極めて重要であると考えます。本シリーズがその一助となれば、望外の喜びです。


▲歴代カタログシリーズ


また、ネットと異なり書籍は改変することができない資料です。いつ、どこで、どんなメダカがいたのか、などの掲載情報は、シリーズの発行号数が変わっても一致していることが求められるため、細心の注意を払って記事を執筆しています。本書で紹介しているメダカ品種は、当店で累代飼育や交配を行い、形質の遺伝を確認したもののみを掲載しています。毎年品種が増えていき、本書では620種類を掲載することとなりました。20年の歴史を振り返りながら、本書のメダカをご覧いただければ、また違った魅力をお楽しみいただけます。


▲20年の歴史が掲載されている改良メダカ年表



②ですが、ニックネーム(ハウスネーム)と品種名の併記掲載が本書の特徴です。製作に当たり、愛好家から掲載して欲しい情報について広く意見を聴取したとこと、


「メダカの名前がわからない」
「わかりやすいメダカの紹介を」


という意見が最多でした。




メダカ界には、新しく作出した品種に自分のオリジナルネーム(これをハウスネームや、ニックネームと呼びます)をつける、という慣習があります。


この慣習は、当店代表の大場幸雄が提唱したもので、その心は


「親しみやすい愛称をつけることで、メダカに親近感を持ってもらえれば」
「命名権が新品種の作出意欲に繋がれば」


というものでした。



事実、改良メダカの人気向上に寄与した代表品種「楊貴妃」「幹之」ともに、ニックネームで名前が知られています。もしニックネームをつける慣習がなければ、改良メダカはここまで進化していなかったかもしれません。一方で、ニックネームの慣習は、メダカの名前が増えすぎる、という事態を招きました。結果として、メダカの名前は知っているがどんなメダカかわからない、名前は違うが特徴の違いはわからない、という混乱が生じています。


 これらの解決策として、本書ではニックネームと品種名の併記掲載を採用しています。販売などで表記されるニックネーム(ハウスネーム)とセットで、特徴を表わす品種名を掲載することで、どのメダカの特徴も理解できるようになります。ぜひとも、ニックネームだけでなく、品種名にも着目して本書をご覧ください。


▲ニックネームと品種名の併記が本書の特徴



つづく




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