100年メダカ 第四章 〜めだかの館のブログ〜

元祖 改良メダカ専門店 めだかの館のブログです!100年続くメダカ文化を目指して、日々の日記(メダカに関することから関係ないことまで色々)を更新します!メダカ好きな方必見です!

100年メダカの軌跡-2/5 ~改良メダカの20年を振り返る~


本文は、「最新メダカ型録2019」より転載しています。



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2020年は、100年メダカ提唱21年目にあたります。


ここまでの改良メダカの軌跡、そして私大場幸雄の軌跡について


2019カタログにまとめたものを紹介いたします。


新種の作出~100年メダカの軌跡①~
なんといっても綺麗なメダカを作らないことには100年メダカは始まらない。


当時入手できたメダカは20種類くらいであったが、それらを繁殖してそのままを売ることには興味はなかった。


一般的なメダカと言えば写真のような茶色のような体色をしている


全く新しい改良メダカをつくるらなければ。


その想いから産まれたのが真っ黒な体色のメダカ「ピュアブラックメダカ」と、黄金体色のメダカ「安芸黄金(あきおうごん)」である。

ピュアブラックメダカ。2001年作出。当時存在していた黒メダカとは一線を画する黒体色が特徴。


ピュアブラックメダカ。2001年作出。野生メダカから突然変異を発見したことから作出に至る。鮮やかな黄金体色が特徴。


新種作出に際して掲げた目標は以下の三つである。


① 新しい体色を作る事
② 体色固定率は99%まであげること
③ 四つの体型(普通種、ヒカリ、ダルマ、ヒカリダルマ体型)を作る事


新しい体色は、黄金、琥珀、朱赤、シルバーを作出した。

琥珀メダカ。2004年作出。黄金メダカから琥珀体色を作出した。



楊貴妃。2004年作出。金魚のような朱赤体色が特徴で、改良メダカブームの牽引役。琥珀メダカから作出された。


銀河。2005年作出。体が金色でヒレが黄色くなることが特徴のシルバー体色のメダカ。


オスメスを同色で固定した品種ピュアホワイト、スカイブルーの2種類。

ピュアホワイトメダカ。雪小町。2003年作出。発表以前は、白メダカのオスとメスの体色は異なっていた。


スカイブルー。静香。2004年作出。発表以前は、青メダカのオスとメスの体色は異なっていた。


これらはいずれも4体型(普通種、ヒカリ体型、ダルマ体型、ヒカリダルマ体型)を作出し、2000年から2005年までの5年間という短い期間でリリースされた。




奇跡のメダカ「Zメダカ」~100年メダカの軌跡②~
新種作出の話となれば、Zメダカの話は外せない。


Zメダカとは「改良メダカの最終章」という意味を込めた私の造語である。




先のピュアブラックメダカの4体型すべてこのZメダカ系統から産まれた


そして、Zメダカの親となったのが初代ピュアブラックヒカリダルマメダカの1ペアと兄弟メダカのメス1匹である。





ピュアブラックヒカリダルマメダカは作出難易度が非常に高く


現在でもオスメス1ペアを揃えることは並大抵のことではない


その証拠に、ピュアブラックヒカリダルマメダカ1匹の値段3~25万円であり、作出当時から15年経過した現在まで価格は変わっていない。



このような奇跡のメダカが


メダカの知識がほとんどなかった私の元で産まれたのは


単なる偶然であろうか?



現在まで、様々な品種を作出してきたが、私にとってZメダカ、そして元親のピュアブラックヒカリダルマメダカは今でも超えることのできないメダカである。



ブランドをつくる~100年メダカの軌跡③~
新種を作出しただけではそのメダカの価値は伝わらないし、高価で売れることもない。


当時はメダカを扱う雑誌などはなかったため、目高新聞(ダイレクトメール)と、メダカカタログ(自費出版の冊子)を自ら発刊し、愛好家にメダカの情報をとどけた。

歴代カタログ。No.1は2002年発刊。2019年にNo.17を発刊。改良メダカ界で最も古くから出版されているシリーズ。



新種が作出されればニュースとして発表


発売日を公表し、期待感を募らせた。


呼びやすく親しみを持ってもらうようにニックネームをつけ


ニックネームを募集したりして、愛好家みんなで新品種の誕生を祝った



当時のメダカの進化は「体感型」であった。


みんなで作り上げるという感覚を、確かに共有していた。


このようにして、新品種のブランドを形成していった。



情報発信だけでなく、ブランド化には価格の維持・向上が必須である。


改良メダカは繁殖が容易なため、価格が下落しやすい傾向にある。


しかし、文化と呼ばれるには高価格の品種が必要である。


他の追随を許さない品種を作出し、市場価格を保つこと。


この活動を継続することがブランド形成につながる。


そのような考えがあったため、決して、安売りはしなかった。


しかし、正直なところ事業であるため、商品を売らないといけない・・・。


野心と不安を拮抗させつつ、


改良メダカの値段は思い付きではなく、細心の注意を払い決めた。




他店が安売りをしても、ブランドを作り守るため、価格競争には参戦しなかった。


専門店やプロを名乗るなら、改良メダカの価値に見合った価格で販売をしてほしい、


新しく改良メダカ店を始める方にはそう伝えてきた。



安売りは作出者やメダカに対して失礼な行為であると私は考える。



(つづく)


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