100年メダカ 第四章 〜めだかの館のブログ〜

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品種分類案2-20 体外光、(白、青、金、緑、二色、頭光、横光)

「改良メダカ品種分類案」の各形質や補足について説明しているページです。


本日は「体外光」についての説明です。


体外光(たいがいこう)


◆由来・概要
・2007年に菅高志氏が発見した背中に青白い光が発現するメダカで,「幹之(みゆき)」の名で知られています。前述の「楊貴妃(朱赤体色)」と並ぶ改良めだかを代表する品種です。


発見された当時,体外光は青体色,白体色にしか発現しませんでしたが,現在は半透明鱗の部分的に黄色素胞が発現する特徴を活かし,黄体色の体外光が作出されています。


体外光の発現の仕方には特徴があり,背ビレの付近から頭にかけて光が伸びます。口先まで体外光が発現する個体が優良な個体として認知されています。例外として,頭だけに体外光が発現する頭光や,体の横に発現する横光がいますが,通常は背ビレ付近を起点として光が発現します。


体外光の色にもバリエーションがあり,個体の有する色素胞により光の色が変わります。改良メダカの中でも特に人気の高い品種で,現在でも体外光を活かした新しい品種が産まれ続けています。



◆特徴
・背中に青白い光が発現する


◆形質補足(光の色)
・体外光の色は青白いと表現されていましたが,個体の有する色素胞により多彩な色の体外光の色が作出されたため,光の色を形質補足として分類しました。
 



白色の体外光です。光の層が厚くなるほど,白色になる傾向があります



青白い色の体外光です。一般的に体外光と言われるのはこの色です。極端な青色ではないため,青白い光 と言われます。



金色の体外光です。ブラック体色の体外光に発現しやすい光の色です。



緑色の体外光です。青体色(緑)に発現する光の色です。青体色(緑)同様,黄色素胞の関与が考えられます(青体色参照)。


多色(二色)
 頭部と背中部分の光の色が異なる体外光です。体外光には,頭部の光と背中の光の色が異なる個体がいます。通常,頭部は白く背中は青色をしており,どちらかの光が覆いかぶさるように進行すれば単色の光となります。二色に分かれている個体を累代繁殖することにより,二色の体外光を作出することができます。




◆形質補足(光の位置)
・体外光は背ビレ付近を起点として光が頭に向けて進行するのが基本でしたが,頭だけに光が発現する個体や,体の横部分に発現する個体が作出されたため,光の位置を形質補足として分類しました。







頭光
頭部のみに光が発現する体外光です。ヒカリ体型の体外光には頭光が多くみられますが体外光の頭光とは異なる形質です。


横光
体の横に光が発現する体外光です。光の形状は様々で,帯状や骨に添った線状の光などがあります。



◆類似した形質
後述するヒカリ体型にも,背中に光が発現する特徴がありますが,その光の形質は体外光とは異なります。


ヒカリ体型
ヒカリ体型の背中の光は,腹部の虹色素胞が背中に転移したものでヒカリ体型,ヒカリダルマ体型にしか発現しません。光の色は銀色の単色に限ります。またパンダなどの腹部の虹色素胞が欠如する特徴のメダカには,ヒカリ体型の背中の光は発現しません。
ヒカリ体型の光は,胸ビレまでしか発現しません。これは,腹部の虹色素胞が背中に転移しているためであり,エラ蓋や虹彩の虹色素胞は関与していないためだと考えられます。


体外光
一方,体外光の光は虹色素胞が背中に異所的に発現した特徴と考えられています。そのため,どの体型でも背中の光が発現します。また,光の層が厚く,青,または青白い光の色をしており,各ヒレにも虹色素胞の発現が確認できます。これらのことから,光の色や厚さ,光の位置,ヒレ光を見ることで,ヒカリ体型の背中の光と体外光を確実に判別することができます。


◆参考資料

幹之系メダカで,頭部から背ビレにかけて,背中に現れる金属様光沢で,これを体外光と呼ぶ。






「改良メダカ品種分類案」はこちら↓↓↓
http://jma-medaka.jp/pdf/1saishinhinnsyubunnrui.pdf





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※本ブログは、改良メダカ品種分類案の普及を目的として、日本メダカ協会の許可を得て写真や文章を掲載しています。