品種分類案2-7 琥珀
「改良メダカ品種分類案」の各形質や補足について説明しているページです。
本日は体色の「琥珀」です。
◆由来・概要
・2004年にめだかの館で作出された全身が琥珀色をしたメダカです。
茶体色よりも赤みが強く,特に尾ビレと稜線には朱赤に近い色が発現しています。
黄金体色の中から色の濃い個体を選抜し,茶褐色の個体が産まれた後に累代繁殖した結果,琥珀体色が作出されました。
後述する朱赤体色(楊貴妃)は,琥珀メダカからの突然変異で作出されました。
◆特徴
・体色が琥珀である
◆形質補足
・なし
◆類似した形質
茶体色,黄金体色,琥珀体色の色合いは重複している部分があり,非常に良く似ています。
3体色とも,黒色素胞と黄色素胞があり,黄色素胞の分布や色彩により体色が変わります。
茶体色から黒色素胞が少なく,黄色素胞の多い個体を選抜したメダカが黄金体色であり,黄色素胞の色が濃い黄金体色を選抜したことで黄色素胞が朱赤色に変化したメダカが琥珀体色と考えられています。
◆参考資料
2004年に「めだかの館」が作出,命名した。体色は野生メダカに近い琥珀色であるが, 尾ビレ,背ビレがオレンジ色に染まる特徴がある。
(メダカ品種図鑑p32:(株)ピーシーズ,2018年3月刊)
楊貴妃メダカと言えば、ほとんどの方が知っている改良メダカかと思いますが、その前身にあたる品種が「琥珀」であることはあまり知られていないように思います。
楊貴妃メダカはヒメダカから選抜されたのではなく、茶メダカ→黄金メダカ→琥珀メダカ→楊貴妃メダカ(朱赤メダカ)の過程で作出されました。
楊貴妃だけでなく、黄金メダカ、琥珀メダカともに、作出から長い年月が経っているにもかかわらず、いまだに愛好家の多い品種です。
また、現在では主要な品種となっている三色メダカ(朱赤、白、黒の3色を有するメダカ)も、元は琥珀透明鱗メダカをベースに作出されています。
▲三色メダカ(楊貴妃透明鱗錦丹頂メダカ)
▲琥珀透明鱗メダカ
▲琥珀透明鱗メダカ
このメダカに斑(錦)の形質が入ることにより、琥珀透明鱗錦メダカが作出されました。
▲琥珀透明鱗錦メダカ
楊貴妃だけでなく、三色メダカの作出にも関与している、非常に重要な品種が琥珀メダカです。
「改良メダカ品種分類案」はこちら↓↓↓
http://jma-medaka.jp/pdf/1saishinhinnsyubunnrui.pdf
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※本ブログは、改良メダカ品種分類案の普及を目的として、日本メダカ協会の許可を得て写真や文章を掲載しています。
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