100年メダカ 第四章 〜めだかの館のブログ〜

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品種分類案2-5 ブラック、(ヒレ黄、背地反応なし)

「改良メダカ品種分類案」の各形質や補足について説明しているページです。


本日は体色の「ブラック」と「ヒレ黄」「背地反応なし」です。


ブラック

◆由来・概要
青体色のパープルブルーよりさらに黒色素胞が多くなったメダカです。


ブラック体色の中には背地反応(保護色機能)する個体と,背地反応しない個体がいます。


また,ブラック体色は黄色素胞が欠如した体色であり,黄色素胞を有するブラック体色は,形質補足のヒレ黄に該当します。


最初に作出されたブラック体色のメダカは,2001年にめだかの館で作出された「ピュアブラックメダカ」です。


ピュアブラックメダカの目はスモールアイであるため,背地反応しないという特徴を持ち,結果として黒体色を発現しています。


次に作出されたブラック体色のメダカは,2009年に作出された「小川ブラック」です。


茶体色の中でも黄色素が少なく,黒色素が多いパープルブルーの中からさらに黒色素胞の多い個体を選抜したことで,普通目でも背地反応しないブラック体色が産まれました。



◆特徴
・体色が黒である


◆形質補足
ヒレ黄(ブラック黄金)

黄色素のあるブラック体色です。体は黄色素を含む茶黒になり,各ヒレは黄色素胞が顕著に発現しています。


背地反応あり

ブラック体色の中には,背地反応をする品種としない品種に分かれます。


これらは,黒水槽ではほとんど見分けがつきませんが,白水槽では明確に判別できます


背地反応しないブラック体色は,白水槽でも黒い体色を保ちます(図上)。


背地反応するブラック体色は,白水槽に入れると5分程度で灰色になります。


◆類似した形質


パープルブルー(青体色参照)とブラック体色(背地反応あり)の明確な判別基準はなく,色合いが重複している部分があるため,各愛好家の判断に委ねられます。


背地反応しないブラック体色の中でも,黒色素胞の量により目やヒレが黒になる個体がいます。
 


◆参考資料

・野生メダカの体色は黒色というより,暗褐色をしているのに対し,このブラックは黄色素胞が少なくなりながら黒色素胞がより多くなったことで黒みの強い体色をいう。野生めだかを「黒 メダカ」と呼ぶこともあり,混乱しやすいため,体色変異型の改良品種はそれを区別するため 「ブラック」と呼んでいる。


(メダカ品種図鑑p144:(株)ピーシーズ,2018年3月刊)


改良メダカの「ブラック」の世界は、それだけでかなりの広がりがあります。


こだわる方が多いこともありますが、歴史も長い為、分類が複雑になります。


今回は、ブラック黄金という従来は形質名だったものを「ブラック」形質に含めたことが大きな変更点です。


これが良いのか悪いのかは、今年一年間の議論で結論を出していく予定です。


質問の多い「オロチ」の品種分類ですが


品種名:ブラックメダカ
補 足: ブラック(背地反応無し)


となります。






「改良メダカ品種分類案」はこちら↓↓↓
http://jma-medaka.jp/pdf/1saishinhinnsyubunnrui.pdf





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※本ブログは、改良メダカ品種分類案の普及を目的として、日本メダカ協会の許可を得て写真や文章を掲載しています。