100年メダカ 第四章 〜めだかの館のブログ〜

元祖 改良メダカ専門店 めだかの館のブログです!100年続くメダカ文化を目指して、日々の日記(メダカに関することから関係ないことまで色々)を更新します!メダカ好きな方必見です!

品種分類案0-8 ~形質による品種命名によるメリット①~

前回の内容は


研究者としては


改良メダカの品種の定義は形質(目視で判別可能なもの)をベースにすることが良い
形質を明確に定義して名前が細かく決められることはありがたい


とのことでした。



今回は、形質による品種命名によるメリットを解説します。


と言いつつ、先にデメリットをお話しする方がフェアかなと思いますので、


そちらから解説します。



■情緒が無い


例えばこの写真のメダカ↓

琥珀体色で
スモールアイで
透明鱗で
ヒレ変化がセルフィンで
ヒカリ体型なので


品種名
琥珀透明鱗スモールアイセルフィンヒカリメダカ


となります。


まず長いし、漢字とカタカナが混ざっているし、情緒のかけらもないことは事実です。


これがニックネームだと


信長


となり、呼びやすく、覚えやすい名前であることは間違いありません。



このように、形質の組み合わせによる命名はシステマチックすぎて、
情緒に欠けるというデメリットがあります。


同じ様な理由から
■名前が長い
■形質名を組み合わせると違和感がある


などのデメリットもあります。


一方で、以下の様なメリットがあります。


■品種名から特徴が判別できる
先の信長で言うと、
「信長」と言われてもどんなメダカか想像できませんが
「琥珀透明鱗スモールアイセルフィンヒカリメダカ」であれば、
改良メダカの形質を知っている人であればどのようなメダカが想像がつきます


これは、品種同士の判別にも役立ちます。



「楊貴妃」と「東天光」の違いは?

「朱赤メダカ」と「朱赤ヒカリメダカ」の違いは?
という質問では、
後者の方が「ヒカリが入っているかどうか」ということがわかりやすいかと思います。

朱赤メダカ楊貴妃


朱赤ヒカリメダカ東天光


したがって、情緒はないけれども
品種同士を区別するのには非常にわかりやすい命名法なのです。


区別が容易であるメリットは売買品評会の審査にて役に立ちます。


売買では、商品同士の特徴を名前から判別できるため、
思っていたメダカと違うものが届いた・・・などのトラブルが軽減されます。



審査においては、出品者の意図が明確に読み取れるようになります。


試しに、3点のメダカについて、ニックネームで出品した場合と、品種名で出品した場合を比較してみましょう。


ニックネームでの出品の場合】

たろう


じろう


はなこ



品種名での出品の場合】

黄金メダカ


朱赤メダカ


朱赤メダカ



いがかでしょうか?
もちろん、ニックネームは架空のものです。


ニックネームによる出品では、作出者がどのような意図で出品したのか
どういう特徴を見てほしいかが全く伝わってきません。


それは、たろうやじろうというニックネームが
どのようなメダカなのか定義されていないため、
出品者はわかっていても、審査員には伝わらないからです。



一方で、品種名の場合だと、
明確に黄金体色のメダカ、朱赤体色のメダカを出したので見てほしい、
という出品者の意図が読み取れます。


また、3枚目の写真はあえてブラックメダカをのせましたが
品種名「朱赤メダカ」で出品されているということなので
本人は朱赤メダカのつもりで出品している、というケースことを想定します。


そんなことあるのか?という質問が飛んできそうですが
極端な例ではありますが、明らかに違う品種名で出品する、
ということは現実に起こります。


そのような場合には、出品者に
「今回の出品メダカについては、品種名が違っていたよ」
と助言することができます。


そうすれば、出品者は形質の定義を再認識し、飼育技術を向上させることができます。



一方、ニックネームでの出品は、出品者の意図が読み取れないため、
出品者に対して何もフィードバックすることができません。


品評会を通して、飼育技術の向上を図ることができないのです。




少し極端な例を示しましたが、


品種名での出品は、出品者の意図をくみ取りやすくし
審査を容易にする


ということです。



メリットを一つしか挙げられませんでしたが・・・


形質による品種命名による
デメリットは情緒が無い事
メリットは品種名から特徴が判別できることです。


次回も引き続きメリットについて解説します。






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