品種分類案0-4 ~遺伝しない特徴について~
前回の話では
日本メダカ協会が提案する品種とは
目視で判別可能なもの
とし、品種間の違いを明確に回答できるようにしました。
今回は、
特徴が遺伝するもの、一代限りのものの違いについて解説します。
改良メダカの特徴には、
・次世代に遺伝するものと
・一代限りで次世代に遺伝しないものがあります。
例を挙げると、
楊貴妃メダカの体色(朱赤体色)は次世代に遺伝しますが・・・
写真↓の菊鱗黄金メダカの特徴(体全体が黒く染まっている)は次世代に遺伝しません。
どちらのメダカも他のメダカと判別可能な特徴を持っていますが、
どちらも一品種としていいのでしょうか?
ここで、他の業界との比較をしてみます。
農業の世界では、品種は形質(特徴)が安定して発現(次世代への遺伝がある)しているものに限りますので、ここでいう菊鱗黄金は品種に該当しないこととなります。
一方、中国金魚の世界では、いかに珍しい個体をつくるか、ということに重点を置いているため、次世代に遺伝しない一点ものでも品種として認められています。その基準だと、菊鱗黄金は品種の該当することになります。
めだかの館では、これまでも最新品種をカタログ等に掲載し
年表を作成してきた経緯から、早くからこの問題に直面しました。
そして、
次世代に遺伝する特徴を持つメダカを「品種」
次世代に遺伝しない特徴を持つメダカを「珍種」
と区分しました。
日本メダカ協会も同様に、
遺伝しない特徴を持つメダカは品種としない
という整理にしました。
理由は様々ですが、文章にすると以下の通りです。
改良メダカは新しい形質を持つ個体の作出が容易であるため、形質の固定化作業無しに新品種を謳う事例が散見されます(F1個体で新品種と名乗る、など)。このような行為が改良メダカの品種の混乱を招き、改良メダカの地位を落としかねないことから、次世代に遺伝しない特徴は、新品種とはしないこととし、品種の定義をより厳密にしました。
しかし、面白いめだかが発見されたときに、みんなでワイワイ楽しむのもメダカの楽しみ方の一つです。
多少の遊び心が必要なのは言うまでもありません。
なので、品種と珍種をきちんと決め、それぞれのカテゴリーで楽しみましょう、
ということを提案したいという想いがあります。
なんでもかんでもきっちり決めすぎることは、無粋かなとも思います。
あくまで、改良メダカが発展するための取り組みですから。
長くなりましたが・・・
日本メダカ協会が提案する品種とは
・目視で判別可能なもの
・次世代に特徴が遺伝するもの
とし、品種間の違いを明確に回答できるようにしました。
次回は、改良メダカの特徴である「形質」に焦点を当てていきます。
おまけ
様々な珍種めだかたち
▲三ツ尾楊貴妃メダカ
▲宮島小町
▲腹黒幹之メダカ
▲鉄仮面
▲頂点眼メダカ
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