100年メダカ 第四章 〜めだかの館のブログ〜

元祖 改良メダカ専門店 めだかの館のブログです!100年続くメダカ文化を目指して、日々の日記(メダカに関することから関係ないことまで色々)を更新します!メダカ好きな方必見です!

型があるから「型破り」、型が無ければ「型なし」

まずは、この言葉を発した十八代目中村勘三郎(五代目中村勘九郎)のエピソードをご覧いただきたい。


そんな折、たまたまラジオから流れてきた、子ども電話相談番組で「型破りと形無しの違いはなんですか?」と質問があり、回答者の無着成恭(僧侶で教育者)がこう答えた。 〝そりゃあんた、型がある人間が型を破ると「型破り」、型がない人間が型を破ったら「形無し」ですよ〟勘三郎は「 あっこれだ!」と先代の教えの意味を理解した。
以来、勘三郎氏は徹底的に型を習得し、練習に練習を重ね、先代から受け継いだ十八番演目である「春興鏡獅子」の演技に生涯をかけ心血を注ぐとともに、後継者であるわが子や弟子に対しても幼い頃から徹底的に基本を叩き込んだという。

出典:ゆにおん・ネタ帳 
https://j-union.com/-/ad-info/nlog/viewer/view.php?ID=326&CID=7663&AID=63613&T=kiji



型破りが大好きな私には耳が痛い言葉ではあるが、実に的を射ている言葉だと感銘を受けた。そして、改良メダカの世界においても、この言葉を広く伝えたいと感じた。


改良メダカにおける「型」とはなんだろう?私は二つの型を想像した。


一つは「品種の基準」


明確な品種の基準があってこそ、はじめて「新」品種が区分できる。その品種の基準を知らないままに新品種を謳うのは正に型なしではなかろうか?


様々な新品種を作出してきた私としても、周囲や次世代に対して品種の基準を明確に伝えてこなかったことは反省すべきことである。勘九郎のように、次世代のためにも品種の基準を明確化して伝えていかなければならない。



もう一つは「基本品種の飼育」


改良メダカの最新品種は、野生メダカから突然産まれたわけではなく、多くの基本品種(楊貴妃や幹之等)の作出の上に成り立っている。進化には必ず流れが存在する。


ビジネス目的で改良メダカの世界に入る人は、最新品種ばかりを追い求め、基本品種の飼育や進化の流れの理解を疎かにしがちではないかと思うことがある。


勉強熱心な方は書籍等でそれらを知ってはおられるが、「知っている」のと「飼育したことがある」のでは大きな違いがある。


基礎品種の飼育は、改良メダカの魅力の原点を知ることであり、まさに改良メダカにおける型ではないだろうか?


基本品種の育成をせずに最新品種を目指すことは、野球の世界で言えば素振りを知らずにホームランを狙うことに等しく、これぞ型なしだと私は思う。



改良メダカにおける二つの「型」について意識し、これらを十分に習得したうえで「型破り」な改良メダカの作出に取り組んでいきたい。