100年メダカの軌跡-1/5 ~改良メダカの20年を振り返る~
本文は、「最新メダカ型録2019」より転載しています。
2020年は、100年メダカ提唱21年目にあたります。
ここまでの改良メダカの軌跡、そして私大場幸雄の軌跡について
2019カタログにまとめたものを紹介(全5回)いたします。
100年メダカの意味についてはこちら
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イントロダクション
朝目が覚めると、自宅を出て30秒のビニールハウスへ。
深夜のメダカハウスが私の仕事場
外はまだ真っ暗で、カエルの大合唱が耳に響く。
時間は深夜の 0:00である。
ここから夜明けまでメダカとのデート「選別」をするのが私の日課だ。
この生活を始めて何年になるだろう・・・
改良メダカ出会い約20年。100年メダカを提唱して、まだ20%しか経っていないが、自分の活動について振り返ることにする。
広島さつきセンターの開業
時は1970年代の終わり、私はサツキ盆栽の修行のため関東にいた。
会社に就職しても上司とすぐに喧嘩、一年も経たずにやめてしまった。
転々と変わる職業。一般的や常識などという言葉が嫌いなのは今も昔も変わらない。
とくにこれがやりたい、ということがあったわけではないが、日本の和文化に興味があったこともあり、盆栽の道へ。
生涯の師とも出会い、数年の修行の後に広島へ戻る。
そして、自分の店づくりをするため地元に土地(ほとんど荒野)を借りて、開拓を始めた。
店の名前は「広島さつきセンター」と名付けた。
開業以来様々な人が店を訪れ、展示会やイベントを実施した。
さつき盆栽業を営んでいた当時の写真
人が集まりワイワイするのは楽しい。
たくさんの人が集まる憩いの場を提供したい、その思いからお店をどんどん改良していった。
当店の番頭との出会いもあり、二人でお店を切り盛りした。
番頭、ノツさんとはこの当時からの仕事仲間
なぜ、どうして?からはじまったメダカ繁殖
メダカが登場するのは2000年より数年前のことである。
当時のお店には盆栽の飾りとして睡蓮鉢がたくさん置いてあったのだが、夏になるとボウフラが沢山わき苦労していた。
昔は、店中がさつきの盆栽であふれていた。
そのボウフラ退治にメダカがうってつけだったのである。
睡蓮鉢に何気なく入れていたメダカだったが、
たまたまそれらをガラス水槽に入れていた時に
それを見た盆栽のお客様が
「このメダカを売ってくれないか?」
と言い始めた。
それも何人ものお客様が同じことを言うのだ。
私はメダカに興味を持ち、メダカを増やすことに挑戦した。
「なんと簡単に増えることか」
と思っていた矢先のこと、突然すべてのメダカが死んでしまった。
これがきっかけで、
「なぜ?どうして?」
とメダカに対する興味が沸々とが湧き上がってきた。
それがすべての始まりだった・・・
改良メダカ店「めだかの館」開業
そこからは、お店の一角にあったプレハブをメダカ飼育専用ハウスに改良し、改良メダカの作出に没頭した。
そして、ある日を境に盆栽バサミを持つのをパッタリとやめてしまった。
メダカの採卵時間が早朝であることから、
メダカに時間を合わせて深夜からメダカの観察をし始めた。
メダカに関する情報があれば仕事を中断し、全国どこでも飛んで出かけた。
周りの誰もが
「大場は狂った」
と言っていたようであるが、私の耳には入らなかった。
とにかく夢中でメダカと向かい合った。
その結果、2000年に改良メダカ専門店『めだかの館』を立ち上げ、2001年には当店初の新種メダカ『ピュアブラックメダカ』を発表した。
2000年発表「ピュアブラックメダカ」
様々な魅力を持つ改良メダカを文化に
扱うものは変われど、やりたい事は同じ。
人が集まるワイワイとした場所やイベントが大好きである。
めだかの館にはたくさんの人が訪れる。そのような店づくりを目指している。
このメダカには
人と人とを繋ぐ不思議な魅力
がある事に気付き始めた。
メダカには昔から日本人の心に癒しとして存在しており、皆に愛される存在である。
自然や和文化との相性も良し。
新種作出の楽しさもある。
メダカには夢や魅力がたくさん詰まっているではないか!
メダカの魅力をもっと発信して、改良メダカを文化に出来ないだろうか・・・
これが100年メダカの始まりである。
最初は一人の人間が頭の中に描いた小さな夢だったが、
20年経過した今、
たくさんの改良メダカが産まれ、
愛好家や団体が生まれ、
品評会が行われ、
確実に改良メダカの文化形成の夢に近づいている。
想いは人を伝い、行動を通して現実となったのである。
まだ夢の途中ではあるが、100年メダカの軌跡を一部紹介したい。
(つづく)
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